英文メールで信頼を落とす5つのミス|丁寧さの方向がずれている
英文メールで失敗する人の多くは、英語が下手なわけではありません。丁寧にしようとした結果、かえって読みにくくなっているケースがほとんどです。
日本語のビジネスメールには、前置き・クッション表現・へりくだりという型があります。これをそのまま英語に移すと、相手には「何を求められているのかわからないメール」として届きます。
この記事では、実務でよく見る5つのミスと直し方を整理します。
1. 用件にたどり着くまでが長い
日本語のメールでは、挨拶から入って背景を説明し、最後に依頼を書くのが自然です。英語では逆で、最初の2行で用件が伝わらないメールは読まれません。
避けたい書き方です。
I hope this email finds you well. We have been discussing the project internally and there were several points raised by our team regarding the schedule. After considering various factors, we came to the conclusion that…
これだと、返信が必要なのかどうかすら最後までわかりません。
直すとこうなります。
Could you confirm whether the delivery date can be moved to March 15?
Our team raised a concern about the current schedule. (以下、背景)
結論を先に書き、理由は後ろに置く。これだけで読みやすさが大きく変わります。
件名も同じです。“Question” ではなく “Question about the March delivery date” のように、開く前に内容がわかる書き方にします。
2. 依頼なのか共有なのかが曖昧
日本語では「〜していただけますと幸いです」「ご検討いただければと思います」といった表現で、依頼の強さをぼかします。これを英語で真似すると、相手はアクションが必要だと気づきません。
曖昧になりがちな書き方です。
It would be great if we could get the revised draft.
これは希望の表明であって、依頼として読まれない可能性があります。
明確にするとこうです。
Could you send us the revised draft by Friday?
依頼であることと、期限を書く。英語では、これが失礼にあたることはありません。むしろ、相手が段取りを組みやすくなります。
なお、依頼の強さは表現で調整できます。
- Could you…?(標準的な依頼)
- Would you be able to…?(相手の都合を尊重する)
- Please…(社内や、関係ができている相手向け)
- We would appreciate it if you could…(フォーマルだが回りくどい)
4つ目は、日本人が最も使いがちで、最も使う場面が限られます。契約交渉のような場面では適切ですが、日常の業務連絡では重すぎます。
3. 期限を書かない
「お手すきの際に」「ご都合のよいときに」をそのまま英語にすると、期限がない依頼になります。当然、後回しにされます。
- at your earliest convenience(できるだけ早く、という意味だが具体性がない)
- whenever you have time(いつでもいい、と読まれる)
代わりに日付を書きます。
Could you reply by Wednesday, March 12?
期限を書くのは催促ではなく、相手のスケジュール管理を助ける情報提供です。ここを遠慮すると、結局あとで催促することになり、そのほうが相手にとって面倒です。
急ぎの場合は理由を添えると角が立ちません。
We need your confirmation by Wednesday because the contract is scheduled for signing on Friday.
4. 謝りすぎる
日本語のメールでは「お忙しいところ恐れ入りますが」「たびたび申し訳ございません」が頻出します。英語でこれを繰り返すと、自分に非があるという印象を与えます。
避けたい書き方です。
Sorry to bother you again. I’m sorry for the inconvenience. Sorry for the late reply.
1通のメールに謝罪が3回入ると、読み手は「何か問題が起きたのか」と身構えます。
返信が遅れた場合も、謝罪より感謝に変換するほうが自然です。
Thank you for your patience.
自分の非を強調するのではなく、相手の行動に感謝する。同じ場面で、印象が変わります。
もちろん、実際にミスをしたときは明確に謝るべきです。問題は、謝る必要のない場面で謝る癖です。
5. 曖昧な表現で結論をぼかす
不都合なことを伝えるとき、日本語では言い切らずに含みを持たせます。英語でこれをやると、伝わらないか、誤解されます。
- It might be difficult.(難しいかもしれない=断っているのか、条件次第なのか不明)
- We will consider it.(検討する=前向きなのか、断りなのか不明)
断るなら、理由をつけて明確に書きます。
We’re not able to accept the current terms because the liability cap is too low. Would you consider raising it to…?
断ったうえで代案を出す形にすれば、関係を損なわずに意思は明確に伝わります。
これは前の記事で書いた、会議でわかった気にならずに確認することの重要性とも通じます。曖昧なまま進むことのコストは、その場の気まずさよりはるかに大きい。
型を持っておく
毎回ゼロから書くと、丁寧さの方向を間違えます。次の構成を固定しておくと安定します。
- 用件(1〜2行):何をしてほしいか、何を伝えるか
- 背景:なぜそれが必要か
- 期限とアクション:いつまでに、誰が何をするか
- 締め:Thank you. / Let me know if you have any questions.
短くて構いません。英文メールは、短いほど丁寧に読まれます。長いメールは相手の時間を使うからです。
まとめ
- 用件を先に書く。背景は後ろ
- 依頼なら依頼だと明示する。ぼかすと伝わらない
- 期限は日付で書く。相手を助ける情報になる
- 謝罪を繰り返さない。感謝に変換する
- 断るときは明確に。代案をセットにする
英文メールの丁寧さは、へりくだる量ではなく、相手の手間を減らす度合いで決まります。日本語の型をそのまま移すのをやめるだけで、印象は大きく変わります。
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書いたものがどう読まれるかは、自分では判定できません。フィードバックを受けられる環境が必要になったら、英語コーチングの料金の見方とBizmates Coachingの記事を参考にしてください。