イギリス英語・留学

英語は「浸かった量」で決まる|イギリスで5年過ごして確信したこと

公開
執筆ベン弁護士・英検1級・UK育ち

本記事には広告を含みます。

小学生のころ、イギリスで5年間過ごしました。

行った時点では、英語はまったく話せませんでした。学校で何を言われているのかもわからない。会話が成立しない状態が、かなりの期間続きました。

それでも最終的には問題なく過ごせるようになりましたし、帰国後も英語を続けて英検1級を取っています。この記事では、あのとき実際に何が効いたのかを振り返ります。子どもの話として読むのではなく、大人の学習に転用できる部分を取り出すつもりで書きます。

最初の数ヶ月は、ただ分からなかった

まず正直に書いておきたいのは、最初は本当に何も分からなかったということです。

授業で何を説明されているのか分からない。同級生が何を話しているのか分からない。聞き取れないのではなく、音は聞こえていても意味にならない。

この時期にやったことは、特にありません。ただ毎日その場にいただけです。

そして、毎日話しているうちに慣れました。どこかで急にわかるようになった、という感覚ではなく、気づいたら前より分かるようになっていた、という進み方でした。

ここが一番大事な部分だと思っています。分からない期間を、分からないまま過ごし続けたことが結果的に効いた。

大人の学習だと、ここで耐えられずにやめてしまう人が多いはずです。「自分には向いていない」「もっと基礎からやり直すべきだ」と考えて、教材を変える。でも実際に必要だったのは、分からないまま浴び続ける時間でした。

やってよかったこと:日本語を話さないようにした

意識的にやっていたことが1つあります。日本語をできるだけ話さないようにしたことです。

海外にいても、日本人同士で固まって日本語で過ごしていれば、言語環境としては日本にいるのとあまり変わりません。実際、そういう過ごし方をしていた人もいました。

私は、できるだけ英語に浸かる環境を選びました。結果として、習得の速度は明らかに変わったと思っています。

これは大人にもそのまま当てはまります。留学しても、授業以外を日本語で過ごせば効果は薄れる。逆に日本にいても、英語に触れる時間を意図的に積み上げれば伸びます。

重要なのは場所ではなく、言語に浸かっている総時間です。

帰国後に気づいたこと:落ちるのは「対人能力」

帰国してから分かったことがあります。

文法や単語は、忘れてもあとから取り戻せます。参考書も問題集もあるし、やれば戻る。実際、帰国後に日本で勉強して英検1級を取りました。

一方で、対人でのやり取りの能力は、使わないと確実に薄れます。

  • 相手の発言に即座に反応する
  • 考えながら同時に話す
  • 言い直しながら意図を伝える

これらは知識ではなく運動に近いものです。だから使わない期間が続くと鈍る。そして、鈍ったことは自分では気づきにくい。読む力と書く力は落ちていないので、「英語力は維持できている」と錯覚します。

実際に人と話す機会を作り続けることが、唯一の維持方法だと考えています。私が帰国後も英会話を続けているのはそのためです。

大人の学習に転用できる3つのこと

以上を踏まえると、転用できるのは次の3点です。

1. 分からない時期を織り込んでおく

最初から理解できる教材だけを選ぶと、浸かる量が増えません。多少分からなくても浴び続ける時間を、計画の中にあらかじめ入れておく。

英語のニュースやポッドキャストを、全部は理解できない状態で流し続ける。これは無駄ではなく、必要な過程です。

2. 日本語に逃げない時間を作る

1日のうち、英語だけで過ごす時間を区切って作る。短くてもいいので、その間は日本語の解説や翻訳を挟まない。

英語を日本語に変換してから理解する癖は、速度の天井を作ります。

3. 話す機会は、意識的に確保する

これが一番サボりやすく、一番落ちやすい部分です。読む・聞くは1人でできますが、話すは相手が必要だからです。

オンライン英会話でも、英会話カフェでも、形式は何でも構いません。口から英語を出す回数を、週単位で固定することが重要です。

具体的な選択肢は英語コーチングの料金の見方や、費用を抑えて話す場を作る方法で整理しています。

なお、環境を作るのに必ずしも海外である必要はありません。国内にも、日本語を使わない環境に一定期間身を置くプログラムがあります。

U-GAKU(ニセコ留学)の無料オンライン個別相談を見る

私がイギリスでやっていたのは、結局のところ日本語を話さないようにしただけです。その条件さえ満たせれば、場所は海外でなくてもいい。渡航費やビザの手続きが不要なぶん、国内で環境を作る選択肢は現実的だと思います。

今のイギリスについて

最後に、留学や滞在を検討している方へ注意点を1つ。

私がいたのは小学生のころで、かなり前の話です。当時と現在では、社会状況も生活環境も変わっています。ビザの制度、物価、治安、学校の受け入れ体制。どれも当時の情報が参考になるとは限りません。

留学を具体的に検討するなら、現在の制度と費用を最新の情報で確認してください。

まとめ

  • 行った当初はまったく話せなかった。分からない期間がしばらく続いた
  • 特別なことはしていない。毎日その環境にいたら慣れた
  • 意識的にやったのは、日本語をできるだけ話さないようにしたこと
  • 帰国後に分かったのは、文法や単語は取り戻せるが、対人能力は薄れるということ
  • 大人に転用できるのは、分からない時期を織り込む、日本語に逃げない時間を作る、話す機会を固定する、の3点
  • 日本語を使わない環境は、海外でなくても作れる

英語は、浸かった総時間に比例するというのが、5年間と帰国後の経験から得た実感です。近道はありませんが、遠回りを避けることはできます。