英語コーチングは途中でやめられるか|特定商取引法の枠組みと確認すべきこと
本記事には広告を含みます。本記事は法制度の一般的な枠組みを紹介するものであり、個別の契約についての法的助言ではありません。適用の有無は契約内容によって異なります。実際の判断にあたっては、契約書面をご確認のうえ、必要に応じて消費生活センターや弁護士にご相談ください。
英語コーチングの契約でよく聞かれるのが、「30日の返金保証を過ぎたら、もうやめられないのか」という質問です。
「返金保証の期間が終わった=解約の余地がない」とは限りません。各社が設けている返金保証とは別に、法律上の制度が用意されている場合があるためです。
ただし、どの制度がどこまで使えるかは契約の内容次第です。この記事では、断定ではなく「何を確認すればよいか」という形で整理します。
前提:特定商取引法にどんな枠組みがあるか
特定商取引法には、継続的なサービス契約のうち一定のものを「特定継続的役務提供」として扱う枠組みがあります。
公的機関の解説によれば、(cite index=“42-1”>対象とされているのはエステ、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービスの7つで、契約金額が5万円を超え、契約期間が2ヶ月を超える場合とされています(エステティックと美容医療は1ヶ月超)。
このうち語学教室については、(cite index=“43-1”>「語学の教授」が対象とされ、入学試験に備えるためのものや、大学以外の学校における教育の補習にあたるものは除かれるとされています。
英語コーチングがここに含まれるかどうかは、提供内容や契約条件によって判断が変わり得ます。一般論としては、場所の要件については(cite index=“48-1”>教室で行うものに限定されず、電話、ファックス、インターネット等によるものも含まれると解説されていますが、個別のサービスがどう評価されるかは別途の検討が必要です。
まずは、自分の契約が金額と期間の要件に当てはまるかを見るところから始めるのが現実的です。
契約後の早い段階:クーリング・オフ
特定継続的役務提供にあたる場合、契約後の一定期間はクーリング・オフの対象になるとされています。
国民生活センターの説明では、(cite index=“44-1”>特定商取引法の定める書面の受領日を1日目として、8日以内であればクーリング・オフができるとされています。
ここで押さえておきたいのは、起算点が契約日ではなく「書面の受領日」とされている点です。法定の記載事項を満たした書面を受け取っていない場合、期間の進行について争いが生じることもあり得ます。
契約時に受け取った書面が手元にあるか、まず確認してください。
その後の段階:中途解約
公的機関の解説では、(cite index=“42-1”>これら7つの役務について、クーリング・オフ期間を過ぎたあとも理由を問わない中途解約権が保障されており、解約手数料にも役務ごとの上限が定められているとされています。
語学教室の場合の上限として紹介されているのは、(cite index=“49-1”>サービス提供前の解約は1.5万円、サービス提供開始後の解約は5万円または契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額です。これに加えて、すでに提供を受けたサービスの相当額を負担することになる、と説明されています。
イメージとしては、(cite index=“50-1”>語学教室を半年分契約し2ヶ月受講した時点で解約する場合、残り4ヶ月分の受講料総額の20%か5万円のどちらか低いほうが違約金の上限になるという例が挙げられています。
ただし、実際にいくら戻るかは契約書面の定めと受講状況によって変わります。ここでの数字は枠組みの説明であって、個別の契約の計算結果ではありません。
教材費の扱い
英語コーチングでは、受講料とは別に教材費がかかることがあります。
特定継続的役務提供の制度では、契約に伴って購入した「関連商品」についても解約の対象になる場合があるとされ、語学教室では書籍や音声・映像等を記録した媒体などが挙げられています。
未使用の教材があるなら、解約を申し出る際に扱いを確認しておくとよいでしょう。返品の可否は、契約内容や商品の状態によって変わり得ます。
返金保証と法律上の制度は別建て
この記事で一番お伝えしたいのはここです。
各社の「30日間全額返金保証」は、事業者が独自に設けているサービスです。一方、クーリング・オフや中途解約は、法律に基づく制度です。両者は性質が異なります。
したがって、一般論としては次のように整理できます。
- 返金保証の適用条件を満たさなかったことが、ただちに法律上の制度を使えないことを意味するわけではない
- 返金保証の対象外とされる支払方法であっても、法律上の枠組みが及ぶかは別途の判断になる
- 保証期間の30日を過ぎていても、契約期間中であれば検討の余地があり得る
実際、ある英語学習サービスの利用規約には、(cite index=“20-1”>特商法の定めにかかわらず、受講開始日から30日以内に所定の条件を満たした申請があれば30日間受講料全額返金保証制度を利用できる旨、そしてクーリング・オフ、中途解約、全額返金保証制度の詳細は契約前に交付される概要書面で確認するよう記載されています。保証と法律上の制度が別建てで書かれていることが読み取れます。
各社の返金保証の条件そのものは、英語コーチングの返金保証を4社比較した記事で整理しています。
自分の契約について確認する手順
判断の前に、次の4点を手元で確認してください。
- 概要書面と契約書面を受け取っているか。記載内容とあわせて保管状況を確認する
- 契約期間と総額。金額・期間の要件に照らしてどうか
- 解約に関する条項。中途解約時の計算方法がどう書かれているか
- 教材費が受講料に含まれるか、別建てか
そのうえで、事業者の窓口に解約の可否と計算方法を確認するのが順序として自然です。口頭の回答だけでなく、書面のどこに根拠があるかを示してもらうと、後の行き違いを防げます。
相談先
解約の申し出に応じてもらえない、請求額の根拠がわからない、といった場合は、消費者ホットライン(188)や、お住まいの自治体の消費生活センターに相談できます。内容によっては弁護士への相談が適切なこともあります。
まとめ
- 特定商取引法には、一定の継続的サービス契約を対象とする枠組みがある
- 語学教室はその対象の一つとされ、金額5万円超・期間2ヶ月超が目安とされている
- オンライン提供が含まれるかを含め、個別の契約が対象になるかは内容次第
- 書面の受領日を起算点とするクーリング・オフ、その後の中途解約という制度がある
- 語学教室の違約金の上限として、提供開始後は5万円または契約残額の20%のいずれか低い額が紹介されている
- 各社の返金保証と法律上の制度は別建てで、保証が使えないことと解約の可否は直結しない
「保証期間を過ぎたから、もう何もできない」と決めつける前に、まず契約書面を確認し、必要なら相談してみてください。
繰り返しになりますが、本記事は一般的な枠組みの紹介であり、個別の事案についての法的助言ではありません。結論は契約内容によって変わります。
実際の契約でどう定められているかの例は、スパルタ英会話の記事で公式サイトの記載を整理しています。中途解約や休会の条件が具体的に書かれています。